カヤックフィッシング初心者の頃は、出航時よりも少しでも強い風が吹いたら退散していました。
また出航基準も厳しく設定し、風速が2m以上かつ最大瞬間風速が3mを超える日は出ないようにしていました。(厳密には出航の判断基準を2つもっており、一つ目が自宅で予報を見て最大瞬間風速が3m以下、二つ目が現場に到着して沖で白波が立っておらず体感の風速が2m以下。)
一方で、出航回数を重ねるごとに、経験値が上がり、風速が3mで最大瞬間風速が4mまでは安全を確保し、釣りができることがわかってきました。
※出航の目安は、艇の種類、パドリングの技術力、装備によって異なります。あくまで個人的な目安ですので、上記の出航目安は参考にしないようにしてください。余計なお世話かもしれませんが、初心者の方はべた凪から始めていき、釣行回数を重ね、ご自身で出航目安を設定してください。
上記のように経験を重ねたことで、出航基準が変わり、出航回数が増えました。
しかし、一方で満足に釣りができた回数は増えませんでした。
なぜでしょうか。
それは、風が吹いただけで、劇的に釣りがしづらくなるからです。
艇が流され、仕掛けがどんどん斜めに海中に入っていき、ラインは無限放出状態・・・。
良い反応を見つけ、ジグを落とすも、ジグ着底時には反応があったポイントから30m離れてる・・・。
だから、僕はべた凪の方が圧倒的に良く釣れます。笑
これは、魚の状態の良し悪しではなく、アングラーの状態(釣りがしやすい状態)が、釣果に直結していると思っています。(風が吹いた方が魚の活性は上がると思っています。)
だって、無風で出来るだけ長い時間きちんと魚探の反応がある真上で艇を停止(ホバリング)させて、仕掛けを魚の目の前に落とすほうが釣れると思いませんか。
と言うわけで、風の影響を受けると釣果が悪くなります。
では、どのようにして風とうまく付き合っていけば良いのでしょうか。
それには、カヤックの構造を理解して、風を利用していく必要があります。
カヤックは風の影響を受けやすい構造
カヤックは人力で前に進むため、小さい動力でも動くような(水の抵抗を受けないような)構造になっています。なので、水面にカヤックを浮かばせ、手で軽く押すだけで、滑るように動きます。
このような構造であるがゆえに、小さい動力で水面を滑るように移動できるわけですが、一方で風などの不要な力が加わった場合、その影響を強く受けてしまいます。
そんなカヤックですが、数あるカヤックメーカの中でも、ホビー社のカヤックは風の影響を受けにくい構造にはなっています。(それでも風が吹くと釣りになりませんが。)
ホビーカヤックは風の影響を極力受けにくい構造にはなっている
ホビー社のカヤックは、艇の構造自体、他のメーカーと同じです。しかし、他のメーカーと異なる点があります。それがミラージュドライブを使用することです。ミラージュドライブは海中に突き刺すため、それが水の中で抵抗となり、風に船を立てるとラダーの役割をし、横から風が吹いた場合は横滑りを防いでくれます。
(余談となりますがミラージュドライブがない状態で2人乗りで釣りをすると、艇に抵抗がなくなり、ジグをしゃくる際に発生する力が動力となり、くるくる回る現象が発生します。)
上述のように風の影響を受けづらい構造になっているとはいえ、カヤックにおける「風の影響を受けづらい」は風速3mあたりから艇が流されはじめ、釣りをするのにストレスを抱くレベルです。
では、この風と上手く付き合っていくためには、どのような方法があるのでしょうか。
風とうまく付き合う方法
風とうまく付き合うためには、パラシュートアンカーあるいはスパンカーを使用することになります。今回は、パラシュートアンカーについて紹介をします。
パラシュートアンカー(シーアンカー)
パラシュートアンカーまたはシーアンカーと呼ばれるアイテムは、これを海に入れることで海水面直下でクラゲのように「ふわあ」っと自動的に開き、それが水を噛むことで抵抗が生まれ、風にカヤックが流されるスピードを抑制してくれます。
さらに、風に対して船が立ちます(一直線になる)ので、釣りをしやすくなります。
メリット
価格は安価です。高価なものでも5000円ほど。安いものでしたら、その半額程度で購入することができます。
また、小さくたためますので持ち運びも楽です。
さらに、どの艇でも使用可能であり、導入しやすいアイテムです。
デメリット
人によって考え方は違うと思いますが、このアイテムは危険な要素が3つあると思っています。
まず、パラシュートアンカーと艇をつなぐために必要な3m〜5mのロープです。沈した際にこのロープが体に巻きつく可能性があります。
次にパラシュートアンカーの回収です。不意に大きい波が来た場合や艇との衝突回避の為に、突発的な移動を迫られた際、パラシュートアンカーを回収するのに時間がかかり、対応が遅れてしまう可能性があります。
最後に、パラシュートアンカーはポイント移動の度に投入と回収をする為、労力がかかります。
二人乗りカヤック特有のデメリット
1人で乗る際、僕が乗っているコンパスデュオは、席のポジションが後ろ気味です。
よって、パラシュートアンカーは艇の前に投げ入れるわけですので、回収する人間の位置とパラシュートアンカーまでの距離が、1人乗りよりも離れてしまいます。
これにより上記のデメリットが、際立ってしまうのです。
※2人で乗ると、このデメリットがメリットに変わり、前に乗っている人が回収することができ、回収スピードが2倍になります。
使用した結果
私は、導入しやすい点に着目し、パラシュートアンカーを使用していました。しかし、使用する度にデメリットが気になり、使用をやめました。
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