前回はカヤックの強敵である「風」とうまく付き合うために、カヤックが風を受けやすい構造になっていることをお伝えしました。
さらに、その構造を踏まえた上で、対策方法の一つであるスパンカーを紹介しました。
スパンカーは値段も設置も安易であることあから導入しやすい反面、危険な側面があることをお伝えしました。
今回は、対策方法の2つ目としてスパンカーを紹介したいと思います。
風とうまく付き合う方法
風とうまく付き合うための方法としてスパンカーを紹介をします。
スパンカー
スパンカーは風見鶏と同じような原理で、風を受ける面と風を逃す面をうまく設定することで、船首を風上に向けるためのアイテムです。
つまり、風に対して船が立ちます(一直線になる)ので、釣りをしやすくなります。
スパンカーの使用条件
なお、スパンカーの効果を発揮できる艇は限られています。
どのような艇かというと、海中に抵抗になる突起物がでている艇です。
例えば、ホビー社あるいはネイティブウォータークラフト社等となります。
この2社のカヤックは共通してペダル(ホビー社:ミラージュドライブ、ネイティブ:プロペルドライブ)がカヤックから水中に出ています。
これが振れ防止となり、スパンカーの効果が発揮されるのです。
詳細(個人的見解です)
海中に抵抗物(フィンやプロペラ等)がない場合、風や波によって発生した力(濃い水色の矢印方向に発生している力)によって船首が左右どちらかに振られます。すると、薄い水色矢印方向(船首が風下に向けようとする力)に力が働き、艇が横を向きます。(図1)
一方で海中に抵抗物(フィンやプロペラ等)がある場合、濃い水色の矢印方向に発生している力と反対方向に力(図2赤い矢印)が発生します。これにより、船首が風上から振れづらくなり、スパンカーの風が当たる2面双方に等しい力が加わり、船首が常に風上に向くようになります。
つまり、スパンカーを設置したとしても①濃い水色と反対側に働く力②スパンカーが風を受ける2面双方に同じ力、が加わらないと風上に船首が向くことはないのです。
さらに重要な点が、濃い水色の矢印方向に発生している力と反対方向に発生する力(赤い色の矢印)の点(カヤックから出ている抵抗物(フィンやプロペラ等))とスパンカーとの距離が遠ければ遠いほど横振れに強くなります。
メリット
1番のメリットは、ホバリング(一箇所に留まること)できることです。
カヤックは、風と潮の影響を強く受ける構造です。
よって、1箇所に留まる事が苦手です。
もし、スパンカーを使用した事で、ポイントに留まることができるようになれば、釣果に直結します。
理由は単純明快で、魚群あるいは地形の変化に仕掛けをジャストミートさせることができるからです。
デメリット
デメリットは3つあります。
①完成されたスパンカーを買おうとすると価格が高いことです。
②セッティングに骨が折れることです。
③荷物が増えることです。(シーアンカーの場合は小さく折りたためるので運ぶものが一つ増える感覚はありませんでした。)
導入するにあたり
スパンカーのメリットは前述した通りです。よって、今後、釣果を伸ばしていくには必要不可欠な存在です。
とはいうものの、デメリットが導入の障壁です。
そこで、デメリットの2つ(価格・セッティング)を解消すべく、スパンカーを自作することにしました。自作については、また記事を書こうと思います。
最後に一言。
お金に余裕のある方はスパンカーを買ったほうが良いと思います・・・。笑
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